認知症と冷蔵庫

  • 2022.06.11

外来で患者さんのご家族と、時々、冷蔵庫の話になることがあります。

・卵が10パックも入っていた

・賞味期限切れの物がたくさんある

・冷凍の物が冷蔵に入っていた

・くさった食べ物がたくさんある

・スリッパが入っていた

・何も入っていなかった

などなど。

もちろん、健康な方でも賞味期限切れのものや、いたんだ食べ物が入っていることはあると思いますが、認知症になると、記憶力が低下して、買ったことを忘れて、何度も同じ物を購入したり、見当識に障害があり、賞味期限がわからなくなっていたり、判断力が低下して、冷凍なのか冷蔵なのか、場合によっては食べ物かどうか、判断出来なくなることがあります。

いきいき支援センターで訪問をしていた方に伺うと、訪問先で冷蔵庫をのぞかせていただくと(もちろん許可を得て)、今の状態がかなりわかると言っておられました。

年末年始やお盆など、ご実家に帰られた際は、ご家族の状態確認のため、そっと冷蔵庫をのぞいてみるのもよいかもしれません。ただ、冷蔵庫に異変があっても慌てて、叱ったりしないようにしましょう。そっと、最近の生活の様子を観察したり、尋ねたりして情報を集めましょう。また、冷蔵庫を片付ける際は、相手を傷つけないように、「これは賞味期限が切れているから、片付けても良いですか?よければ新しい物を買ってきましょうか?」など優しく声をかけることをお勧めします。

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