アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」がアメリカで正式承認

  • 2023.07.26

ブログの更新が遅れていて、申し訳ありません。

2023年7月6日に、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」がFDAに承認されました。以前にもお書きしましたが、レカネマブは、アルツハイマー病の原因とされる脳内のアミロイドβを除去することを目的とした抗体療法です。アルツハイマー病で軽度認知障害~軽度認知症の方を対象に、1年半の投与期間で症状の進行を約27%抑制し、副作用としては、脳の微小出血17.3%、 脳の浮腫12.6%、、頭痛11.1%などが報告されています。

日本でも、承認申請中で、年内には結果が出ると言われています。

レカネマブは、あくまで進行を遅らせる治療薬で、「治る」、「進行が止まる」治療薬ではありません。しかし、アミロイドβに対する治療薬であり、期待値も高い治療薬です。

治療薬の対象は、アルツハイマー病による軽度認知障害から、軽度のアルツハイマー型認知症が適応となっていますが、日本で承認された場合、今後はどういった患者さんに効果が高いのか、どういった患者さんで副作用が出やすいか慎重に検討しながら、安全に使用できるような体制作りが必要になると思われます。

また、費用面ではアメリカでは患者一人当たり年2万6500ドル(約380万円)となっています。あまりにも高額なため、日本では、保険診療として認められるかも大きな課題です。他にも、アメリカではレジストリが必要となっており、日本も同じく必要になる可能性が高いと思います。

引き続き、専門医としてレカネマブの情報を収集していきたいと思います。外来でも、気になることがありましたら、お気軽にご質問ください。今後ともよろしくお願いいたします。

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