Q&A2. 認知症は治りますか?

  • 2020.09.07

患者さんやご家族から、「認知症は治りますか?」と質問を受けることがあります。医師としては、治りますよと言いたいのですが、現実的には、

「治る可能性のある認知症と、治らない認知症があります」

とお答えしています。

認知症には様々な原因があります。

中でも、治る可能性のある認知症の原因として、

・慢性硬膜下血腫

・正常圧水頭症

・脳の腫瘍

・お薬の副作用によるもの

・アルコールによるもの

・甲状腺機能低下症

などがあります。

アルツハイマー病、レビー小体病などの、脳に異常なタンパク質が蓄積する疾患は、現状は残念ながら治すことはできません。治せない一方で、進行を遅らせる治療や、様々な症状を緩和する治療は少しずつですが、発展してきています。

アルツハイマー病においては、“Aducanumab”という、アミロイドに対する抗体療法が、臨床第3相試験は中止になったものの、高用量群で有効性を認めたとのことで、米FDAに申請中となっています(この“Aducanumab”も、臨床試験の結果を見る限りは治すよりも、“進行を遅らせる”に近い印象です)。

兎にも角にも、認知症は、認知症になる前に予防すること、早期発見と早期治療が大切です。

・最近物覚えが悪い

・同じ話を何度もする

・両親の様子がおかしい

・パートナーが最近怒りっぽくなった

など、些細なことが予兆な事もあります。気になる症状がございましたら、お気軽に受診ください。

*名古屋市の方は、65歳以上の認知症でない方を対象に年1回、もの忘れ検診が無料で受けられます。当院でも行っていますので、お気軽にご連絡下さい。

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