認知症外来・もの忘れ外来

認知症外来・もの忘れ外来

当クリニックでは、専門医による認知症外来・もの忘れ外来を併設しています。認知症の診断、治療、予防、介護相談など、専門医だけでなく、看護師、心理士、精神保健福祉士と多職種で総合的にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

認知症とは

認知症とは、認知機能障害(記憶障害、失語、失行、失認、遂行機能障害 など)によって、日常生活に支障をきたしている状態を言います。認知症は、老化が原因ではなく、何かしらの病気によって脳の神経細胞が壊れてしまうことで発症する病気の総称になります。

なお老化による物忘れと認知症による物忘れには、同じ忘れるにしてもその内容は異なります。例えば、老化による物忘れでは体験した一部をよく忘れます。具体的には、朝ご飯を食べたことは覚えているが、そのメニューについては忘れるといったことです。また、本人は忘れているということを自覚しているのも特徴です。一方、認知症による物忘れでは、朝ご飯を食べたことを忘れている、つまり体験したことそのものを忘れていて、本人が物忘れをしているという自覚はありません。ただ、上記で挙げたエピソードだけでは、わかりにくいかと思われますので、以下のような症状に心当たりあれば、ご本人様でも同居されているご家族の方でもかまいませんので、一度ご相談ください。

検査について

まず認知症が疑われる方には問診を行っていきます。この場合、主に記憶障害をはじめとした認知機能障害の程度、日常生活の支障具合や困難度を把握していきます。次に認知機能検査を行っていきます。その結果、認知症の疑いがあると医師が判断すれば、画像検査(頭部CT、頭部MRI)や、血液検査などで他の病気の可能性がないかといった検査などを行うなどして診断をつけるようにします。当クリニックでは、頭部CT検査を行うことができます。必要時には、連携医療機関で頭部MRI、脳血流シンチ、MIBG心筋シンチなどをお願いします。

上記の検査を行った結果、認知症と診断された場合であっても早期に発見し、速やかに治療を行うことができれば、現在の医療では完治が困難でも、進行を遅らせることはできます。そのため、上記の症状に気づいたら、速やかに検査を受けることをお勧めします。

認知症の種類について

認知症の中で最も患者数が多いとされるアルツハイマー型認知症です。次いで、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭葉変性症が多く、上記で挙げた4つの病気が原因で発症する認知症は全体の9割を占めると言われています。他にも認知症の原因となる病気はいくつかあります。

認知症の原因となる主な病気

アルツハイマー型認知症とは

全認知症患者さんの6~7割を占めるとされているのがアルツハイマー型認知症です。これは、アミロイドβなど特殊なたんぱく質が脳に蓄積していき、これによって脳の神経細胞は破壊されて減少し、脳(海馬)が萎縮するようになります(主に頭頂葉や側頭葉が障害を受ける)。その結果、記憶障害、見当識障害、思考障害(物盗られ妄想)などが現れるようになるほか、脳から指令を受ける身体機能もだんだん失っていくようになります。

レビー小体型認知症とは

レビー小体と呼ばれる特殊なたんぱく質などからなる物質が脳の大脳皮質や脳幹に蓄積するなどして発症します。初期の特徴としては、認知機能が良くなったり悪くなったりを繰り返す、幻視・幻覚・妄想、レム睡眠行動異常、パーキンソン病の症状(手足が震える、表情がかたい、動作が減る・ぎこちない など)があります。なお、レビー小体型認知症では物忘れの症状が初期に出ることがないので、他の病気と診断されることも少なくありません。つまり認知障害が起きる前に正しい診断をし、治療を開始することができれば、認知障害を防ぐ可能性も高くなります。

前頭側頭型認知症とは

高齢者よりも40~60歳代に発症する患者さんが多いとされるタイプの認知症です。これはピック球と呼ばれるものが脳の神経細胞に蓄積し、それによって前頭葉と側頭葉が萎縮するようになって発症すると言われています。主な症状は、脱抑制(騒がしく、落ち着きがない など)、人格や性格が極端に変わる、常同行動(決まった行動をとるようになる)などです。なお記憶力は保たれています。また症状の進行具合は非常にゆっくりという特徴もあります。

発症の原因は現時点では不明とされていますが、脳の神経細胞の中にあるたんぱく質が関係しているのではないかと考えられています。なお前頭側頭型認知症にはピック病も含まれます。

血管型認知症とは

全認知症患者さんの2割程度いるとされ、主に脳血管障害(脳梗塞、脳内出血 など)がきっかけとなって発症する認知症です。脳血管障害とは、脳の動脈(血管)が何かしらの原因で詰まる、あるいは血管が破れて脳内で出血が発生したことで起こる障害のことで、これらによって脳細胞に酸素を十分供給できなくなります。すると脳の神経細胞は死滅するようになり、やがて認知症を発症するようになります。このタイプの認知症の場合、障害部位にのみ機能低下が現れるので、まだら認知症、運動・感覚障害、情動失禁などの症状が見受けられます。

治療について

変性性認知症の治療では、アルツハイマー型認知症の場合、脳の神経細胞が壊れることで起こる症状(記憶障害や見当識障害など)を改善させる必要があります。そのため、病気の進行を遅らせる治療薬のほか、周辺症状(不安、焦り、怒り、興奮、妄想など)があれば、それを抑える治療薬も使用します。またレビー小体型認知症もアルツハイマー型と同様の治療法ですが、パーキンソンの症状もみられている患者さんには、抗パーキンソン薬も用います。なお前頭側頭型認知症は、有効な治療法が現時点では確立していません。ただ特徴的な症状があれば、対症療法として抗精神病薬が使用されることもあります。

他の病気が原因(主に脳卒中)で認知症を発症している血管性認知症では、脳血管障害が再発することで症状をさらに悪化させるので、発症リスクを高くさせる、高血圧、糖尿病、心疾患などの治療をしっかり行い、脳梗塞などを再発させないための予防薬(高血圧であれば降圧剤 など)を使用していきます。

また上記の治療に併行して、患者さんにまだ残っている認知機能や生活能力を薬物に頼らずに高めていく非薬物療法も行うことで脳を活性化させていく方法もあります。