認知症にならないために、予防に早い段階で取り組むことは非常に重要です。
認知症の原因として最も多いアルツハイマー型認知症も、その原因の一つとされるアミロイドβは40~50歳前後から蓄積がはじまる考えられています。
認知症にならないための予防の研究は、エビデンスレベルの高い研究は多くはありませんが、WHOが2019年に「認知機能低下および認知症のリスク低減」のためのガイドラインを作成し公表しています。以下に、そのポイントを記載します。
1)身体活動を行う(有酸素運動や筋力トレ、特に有酸素運動が効果が高い)
2)禁煙
3)バランスの良い食生活
4)危険で有害な飲酒がある場合は、減量または中断する
5)認知トレーニング
6)中年期の過体重・肥満の体重管理
7)高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理
特に、目新しい予防法があるわけではありませんが、身体活動、知的活動、食生活、たばこ、アルコール、体重管理、生活習慣病の管理はとても重要だと思います。
私自身は、食事は野菜を多くとること、肉・魚を多くとること、炭水化物を少し減らすことを意識しています(仕事柄、食事が偏りやすいので、市販のマルチビタミンも少量飲んでいますが、これはエビデンスがありません)。もともと、たばこは吸いませんが、この数年はアルコールはやめ、ノンアルコールビールにしています(アサヒドライゼロ派です)。お休みの日は、なるべく体を動かすことを意識していますが、もともとストイックな方ではないので、有酸素運動まではなかなか・・・
皆さまも、家庭生活でも社会生活でも役割が多く、全てに気を付けることは、難しいとは思いますが、それぞれのライフスタイルに合わせて、全てではなくても、いくつか生活に意識して取り入れることができればよいですね。
認知症の予防については、サプリメントを含め、ネットやTVでも様々な情報にあふれ、混乱することがあるかと思いますが、実はエビデンスレベルの高い情報は少ないです。気になることがあれば、診察の時にお尋ねください。私もできるだけ国内外の論文は読むようにしていますが、時に知らない情報もあり、皆さまに教えていただくことがございます。その際も、できる限り後日に調べてお答えさせていただくようにしています。
今後とも、皆さまの健康のために少しでもサポートできればと考えております、どうぞよろしくお願いします。