「不眠症」と「認知症」

  • 2023.01.24

不眠症は、なかなか寝つけない(入眠困難)、夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)、再び眠りに戻ることが難しいなど、睡眠に障害がみられるのが特徴です。

不眠症は、「認知症の発症リスク」が高くなることが報告されています。

最近の研究では、睡眠時間が短いほど、寝つきが悪いほど、アルツハイマーの原因の一つのアミロイドβが蓄積しやすいとされています。そのため、睡眠を改善させる薬の一種が、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせるのではないかという研究も行われています。

その他に、睡眠時無呼吸症候群も認知症のリスクであることがわかっています。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。呼吸が止まる以外にも、大きないびき、日中の眠気・だるさ、起床時の頭痛などがみられます。睡眠時無呼吸症候群に対して、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)が睡眠の質を改善するとともに、認知機能障害の進行を遅らせる可能性が示唆されています。

当院でも、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方には、自宅で検査できる、簡易型ポリソムノグラフィー検査を提案しています。検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の場合、必要に応じてCPAP治療も行っています。

とにかく、質の良い睡眠をとることが、認知症の予防の一つになりそうです。

質の良い睡眠をとるためには、

・規則正しい生活を心がけること

・日中はなるべく太陽光に当たること

・適度な運動をすること

・昼寝は短い時間にすること(20~30分程度)

・夕方以降のアルコール、ニコチン、カフェインを控えること

など、生活でも心がけが大切です。

特に、寝酒は睡眠の質を下げ、かえって目が覚める回数が増えてしまうこと、そして依存性もありますのでご注意を・・・

当院では、不眠症の治療、睡眠薬の相談も行っていますので、お気軽にご相談ください!

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